支払えと言えない割増賃金

是正勧告での割増賃金に関して労働基準監督署と事業主との間に認識の相違があります。

実は、労働基準監督署には割増賃金を支払わせる権限はありません。

つまり、労働基準監督署はそれを「支払え」とは言えないのです。

その理由は、賃金に関する取り決めは事業主と従業員によってなされるものだからです。

従業員は会社で働く際に、労働条件などの説明を受けますよね。

そのときに、労働契約書に賃金はいくら、割増賃金はいくらといった記載がされていて、それをしっかり説明して従業員の同意が得られていればOKなのです。

是正勧告ではそれらが取り決めされているにもかかわらず支払われていなかったり、そもそもが労働契約書を交わしていない、就業規則に記載がないといった場合に行なわれるのです。

労働条件を口頭での説明だけで終わらせている会社は少なくないようです。

特に、中小企業にこういった傾向が多く見られるようなので注意しましょう。

よく役職手当に残業代が含まれているのでそれで問題ないだろうと思っている人もいますが、その場合はそう書面に書かれていなければいけないのです。

労働と健康

平成14年に厚生労働省から新たな通達がなされました。

それは「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置など」というものです。

何が言いたいかというと、つまり「長時間、長期間に亘る労働による疲労の蓄積が健康を害する恐れがあるので、労働時間の評価を目安として1ヶ月の残業時間が45時間を超える場合は病院にかかりましょう」ということなのです。

45時間未満の残業であれば問題はありませんが、45~80時間未満の場合は産業医の診察を要し、80時間を越えるならば産業医の個別面談が必須となります。

産業医は従業員が50人以上となると設置する義務があります。

特定の産業医を擁していない会社は、近くの地域産業保健センターに相談すれば医者の紹介が受けられるかもしれませんよ。

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